ガスホルダー


ガス会社のシンボル、ガスタンク。
本当はガスホルダーと呼びます。
ガスを貯蔵(ホールド)するための施設です。

桐生出身ではないですが、
子供の頃からなんとなく見慣れていて、ガスが入っているんだ、
ということも自然に理解し、そして気にも留めませんでしたが、
ガス会社で働くようになってから意識するようになりました。
電車の中から、旅行中、来る車から見えると、
「どこのガス会社さんだろう?」と知りたくなります。

この1枚は家のベランダで取りました。
すぐ近くに住んでいます。
手前はJR両毛線の高架です。
桐生ガスのガスホルダーは球形のもので2つあります。


こちら1号基
製作年月:昭和43年
容積:4.000立方メートル
容量:約20.000立方メートル
内径:19、7m
材質:鉄


簡単に言うと、ガスホルダーをガス管につないでいる部分。
常にシューシュー音がしています。
結び口にはリモートコントロールできる緊急遮断装置や
揺れを吸収する伸縮管が付いています。


ホルダーの周りには点検用の階段がついています。
計算されて風を受けにくい構造にもなっています。


周りは柵に囲われて、立入り禁止・火気厳禁になっています。
ガスホルダーの球形の部分は何枚もの銅板をつなぎ合わせて
作られて、震度7の大地震にも耐えられるようになっています。
基礎も地盤調査に基づいて固い地盤まで杭を打ち込み、
鉄筋コンクリート基礎の上に支柱と球体を添えつけた構造になっています。


ガスは、1日 毎時間 一定の量を受入れていますが、ホルダーの役目は、
受入れている量を上回ってガスを供給するときに貯めていたガスを
出すことで、下回るときにガスを貯めています。
従って、ホルダーの圧力は朝7:00ごろが一番高くて、
夕方6:30ごろが一番低い圧力になります。
もちろん、緊急時で ガスの受入が止まったときにも、
ホルダーに貯めているガスを供給することも役目の一つになります。


会社敷地裏手より。
俵型のはLPガスタンクです。


貯水槽。 非常時には消防車にもつなげられるようになっています。
ホースにつなげ、訓練も行います。


本社屋上より。
「何故、サッカーボールなの?」と 職場見学に来る小学生は必ず聞いてきます。
Jリーグが始まった頃に塗り替えをして、地域の人に親しみを持ってもらうために
サッカーボール柄になりました。
実は、この1号基は平成19年12月で役目を終えました。
今はガスは入っておらず、錆びないように液体窒素ガスが充填されています。

少し前にテレビ朝日『ミラクル9』という番組の「群馬県」という回答の時に
写りました。

上に細長い避雷針がついています。
雷はこの避雷針に落ちるようになっていて地面深くにすいとられる
ようになっています。


製作年月:昭和53年
容積:6.004立方メートル
容量:約60.000立方メートル
内径:22.55m
材質:鉄

最大の容量が60.000立方メートルなので、
例えば、一般家庭1件1ヶ月→50立方メートル
⇒1年 600立方メートル
⇒約100年分
実際は今年の最大供給量が1日に150.000立方メートル
なので、1日にホルダー2個半のガスが必要になります。
大きい工場などでたくさんガスを使っていただいてるんえすね。


以下、桐生ガスホームページ
『織都桐生・おりひめのいるまち』
桐生は昔、西の「西陣」、東の「桐生」と云われた織物の産地で、
上毛カルタでは「桐生は日本の機(はた)どころ」と詠まれています。
桐生織物の起源は定かではないようですが、奈良時代(714年)
東大寺献物帳に桐生から朝廷に差し出された「あしぎぬ」という絹織物が
献上品目として記されており、この時期に発祥したものと考えられています。

平安時代には、この地からの税は絹と定められている事から、
織物や養蚕が隆盛であった事もわかります。さらに南北朝時代に入ると
「仁田山絹」と云われる織物が、桐生の産物として国内諸国に
移出されるまでに発展していきました。
その仁田山絹にまつわるロマンチックな伝説があります。
上野国山田郡仁田山郷(現在の桐生市川内町)出身の「山田」と云う
男子が朝廷に仕えており、ある時、ふと目にした「官女白滝姫」に恋してしまいました。
慕う心を歌に託して、いくつも切々と詠んだそうな・・・。
そんな恋歌の数々に白滝姫の心は動かされ、この恋はめでたく成就。
めおと(夫婦)となった二人は、故郷の仁田山郷に戻り、
姫君は里人に養蚕、機織などを伝えたとされるお話です。
≪ ねっ!今ならラブメール攻撃?ちょっとロマンチックでしょ。≫


織都桐生、織物にまつわる伝説は多数あり、
「白滝姫(おりひめ)伝説」もそのひとつです。
1300年の歴史と伝統を持つ織物産地として、
この「おりひめ」をモチーフにした図柄がホルダーに描かれています。
JR両毛線の電車に乗るとよく見えますよ。 


おりひめ様の前はどちらもサッカーボールでした。
緑のボールはボールメーカー「ミカサ」様にもご協力いただき、
学童用サッカーボールの柄でした。


本町5丁目ガスプラザ屋上(5階相当)からは
意外にもホルダーはこれしか見えませんでした。



オマケ写真
桐生が誇る!「桐生が岡遊園地・動物園」
↓web
http://kiryu-kanrikyoukai.jp/kirigaoka.html

『Gastank Graffiti』 渡辺雄介
全国各地のガスタンクを撮り続け、
ガスタンクの魅力と鑑賞のポイントが1冊の写真集に
なっています。
桐生ガスも載っています。
おもしろい柄、絵のガスホルダーがたくさんあります。
撮り方も素晴らしく、工場萌え?のように、
ガスタンク萌えになってしまうかも?!
↓web
http://gastank-map.com/2011/05/kiryu.html