2013年 石原清紫新作展


2013年 石原清紫新作展
幽玄の友禅
 和泉式部日記より

とき:4月12日(金)〜15日(月)
   午前10時より午後5時まで
   最終日は午後4時まで

ところ:桐生ガスプラザ
    2階ギャラリー

ガスプラザ2階に別世界が広がっています。
去年のテーマが
「恋歌の友禅きもの 和歌に詠まれた恋心」
でしたが、その中でも和泉式部の歌と友禅が
しっくりきて、イメージが確立できたそうです。

「今後は和泉式部シリーズとして製作していきたい」
とおっしゃっていたのが、今年のテーマと
なりました。


石原さんは『和泉式部日記』を全文書き取りしたそうです。
そんなに長くはない話、とは言っても半紙で約65枚。
その中でも思いいれがある文章を色紙に書き写しています。


入り口の壁掛けもとってもステキです。


和泉式部は平安中期の歌人で、978年頃生まれたと
言われています。
両親が宮廷に仕える身分だったため、宮廷の男女関係に
幼い頃から敏感だったようです。
夫が和泉守だったので和泉式部、と呼ばれています。
夫がいる身でありながらも、当時の冷泉天皇の第三皇子、
為貴親王との熱愛で世間をにぎわせます。
かなりのスキャンダルですね。


和泉式部の歌に共感した石原さんが『和泉式部日記』を
読んで、
「どういう人かな?」と思い描いたイメージを
植物にたとえて表現しました。
ぼたん、バラ、菊、と華やかです。


帯も新作6点を展示しています。


豪華絢爛の華やかさではなく、
女性らしさ、可憐さが感じられる華やかさです。


左は”ハンショウヅル”
咲くと右のような”クレマチス”になります。


熱愛中の為貴天皇が若く亡くなってしまい、スキャンダルだった
ため、親にも勘当され、夫との関係も冷めてしまい、嘆いている
頃に、為貴天皇の弟の淳道親王から求愛を受けます。
また皇子です。 なんというモテ女っぷり!


淳道親王と和歌や文を取り交わし、数度の訪問を受ける
うちにお互い深く愛する関係となり、淳道親王邸に迎えられる
数ヶ月間のことを綴ったものが『和泉式部日記』でこの時の
恋愛に関する和泉式部のありのままの心情描写が大きな特徴です。


淳道親王との間に男子をもうけたようですが、親王
早く亡くなってしまいました。


その後中宮藤原彰子に女房として仕えることになりましたが、
その時の同僚女房にはかの有名な紫式部がいます。
紫式部日記』には
和泉式部の恋文や和歌は素晴らしいが、素行には
感心できない」と記されてあります。
同じ才女でもタイプが違ったのでしょうね。


その後、宮仕えの藤原保昌と再婚し、丹後に下った
ようですが、老後の記録はほとんどないようです。


石原さんは描く、和泉式部は華やかで色っぽい、
つややかな女性。
そして美貌の持ち主。
花のイメージとピッタリで、
花そのもの

現在の芸術家をも虜にしている”モテ女”にして才女です。


こちらは「エジプト文様シリーズ」です。
オリエンタル色のアラベスク文様でステキですね。


旧作品のお茶席用着物


半襟にしてもとっても素敵ですね。
もともとは襟の汚れ防止だったものが、だんだん
オシャレの要素を大きくしていったようです。


小風呂敷(ふくさ)は石原さんが主宰されている友禅講習の
課題作品でもあります。
こんなステキなものができればいいですね。

写真と実際に見るのとは色合いも全然違います。
開催中は石原さんがいらっしゃいますので、
お気軽に話も聞いてみてください。
ご来場お待ちしております。